生活

なんもなんも、いいのさ したらね

肘を打ったら失神して救急車に乗った話


備忘録。
今、これを書いている何時間か前にこの歳になって初めて倒れたり救急車に乗ったりした。



ご飯の支度が終わって、流しっぱなしのEテレは“わしも”がちょうど始まった午後6時。

子供に、ごはんだよ~おむつ替えるよ~ と台所から声をかけながら、ああそうだお風呂の栓を抜かなくちゃ。と気付き、風呂場に行ってポンとお湯を抜いて リビングに戻ろうとしたその瞬間。


ガン!!!!!

「痛ァ!!!!!!!!!!!!」

浴室の扉の所の角?なんて言ったらいいんだろう、とりあえず角に右肘をまあまあの勢いでぶつけたのだ。

そういうのはよくある話だけど、その時は経験以上に痛くて、肘ぶつけてジ~ン、痺れてる><とかいうレベルじゃない激痛がすぐさま走った。

もうとにかく痛くて、リビングに戻りながら「イターーーーーーイ!いたい!えっいたーーーい!○○(子供の名前)、いたいんだけどーーーイターーーーーーッ」
と、無意味に部屋にいる子供に向けてギャーギャー言いながらリビングに戻った。


しかし痛みは引かなかった。
いつもみたいな感じだったら、あ~~痛かった……というリアクションがとれるものなのに、ありえない程痛い。
それどころか、痺れが上半身全体に回っていくような感覚があった。
肘をぶつけてジーンとするあの痺れ、あれの何倍かの強みで、ビリビリが走った。

え?やばい。

そう思った瞬間に、一気に目の前がブワッと霞んで、視界がチカチカとギラつくような感覚に襲われた。目眩。

えっ何?怖い。

これはヤバい。と思っているその数秒の間に、目の前がぐわーーんと揺れるような、回り出しそうな気持ち悪さが来た。働かない視界。



もう気がついたら倒れていた。

ヤバい、と自覚してから目を覚ますまでの記憶が無い。
並べてあったおもちゃ箱をなぎ倒してその上に覆い被さるように自分はうつ伏せになっていて、
リビングと台所を遮るように設置していた極太突っ張り棒(子供の台所への侵入を防ぐ為)が吹き飛んでいた。え?

ソファの上から、子供がこちらを覗き込んでいる。
「いたいいたい、ねー」(私がさっきまでイタイイタイ喚いていたから?)
「あ~あ、これ、あ~あ」(おもちゃ箱が完全にひしゃげていたから)と声をかけてくれている。


でも返事が出来なかった。声が出ない。
目は覚めても視界がギラギラする。

ゆっくり立ち上がる。
今度はすぐに顔に向かって身体中の血が集まってくるような感覚に襲われた。熱い。おでこから嫌な熱い汗が吹き出るのを感じる。
続いて耳の聞こえがおかしい事に気付く。

耳元にへんなザワザワ感がある。のに、聞こえてくるものが遠くなっていた。
あ、と試しに声を出したら、こもったような自分の声が違う所から聞こえた。

そしてまた視界がグラッとして立っていられなくなる。恐怖しかなかった。




私はこれまで、大きなケガや大病をした事はなかった。こんなに酷い目眩(この症状が目眩のうちに入るのかも自信がない)も、もちろん気を失う事も生まれて初めてだった。


だからもう本当に未知の領域で、大袈裟な~と思われるかもしれないけど、真面目に死ぬかと思った。
そして同じぐらい、子供の事が気がかりだった。

どうしたらいいのかわからず、立ってるのも厳しく、原因もよくわからないから、また気を失ってしまうかもしれない恐怖。
スマホで検索しようかと考えたけど、視界が仕事してない状態だったからスマホに触れなかった。

謎に顔が熱いから とにかく冷やそう、どこか冷やそう、と肘から手先にかけて流水で冷やしながら どうしようどうしようと回らない頭をなんとか使った。

ああいう非常の時って、一瞬の短さに感じる数秒の間に、普段からは信じられない程の量とスピードで頭がフル稼働する。

もう、しにたくない。と、子供は?これでいっぱいいっぱいだった。


こうしているうちにまた突然倒れてしまったら。それきり目が覚めなかったら。子供は?夫は今日も帰りが遅くなると言っていた。何時になる?それまでの間、子供は?ごはんはこれからだったのに。ダメだ生きる!生きねば!!!!!!!!!


今になって思うと完全に大袈裟な部分あるんだけど、その時は目も耳も頭も鈍っている恐怖からそれはもう必死だった。


水を止めて、冷凍庫から手探りで保冷剤を取り出した。
肘より頭がまずいから、おでこと首を冷やす。
その場で台所にゆっくり倒れ込み大の字になる。楽になるのを待つ。ならなかったらどうしようと震える。

ややしばらく横になっていると、視界が晴れて明るくなってくるのを感じた。やった。
アーアーと声を出してみる。聞こえもさっきより良くなっている。
子供の名前を呼んでみる。リビングから、変な所で横になっている母を覗きながら ハーイと返事する声が聞こえる。


#8000だ。と思いつく。
けどあれは小児用だったはずだから、と #7119の存在をちゃんと思い出すファインプレーをする。


電話をかけて、救急の相談をする。
倒れた時間、気を失っていた時間、その他状況を説明すると、今すぐこの電話を切って救急車を呼ぶように言われる。

すぐに119にかけ直して、つとめて冷静に説明する事をめちゃくちゃ意識し、#7119に相談した上で連絡している事も伝えて、救急要請する。

救急車を待っているその間に、夫の会社に電話をする。
幸いにも夫が電話担当だったので一発で連絡がついた。電話を切ろうとした丁度のタイミングで、救急車のサイレンが聞こえてきた。

3~4人の救急隊員の方が(こんなに来るのか!)上がってきて状況を説明する。
子供は、母が知らない大人に取り囲まれているのを、距離を置いた所から呆然と見ていた。


そのあと下へ降りて救急車に乗り込んだが、向かいの家のおばさまがた3人が集まって外に出て、何事かとこちらを見ていた。ジロジロ見るな!!見世物じゃねえ!!!(心の中で謎の喧嘩腰)



初めて救急車に乗った。
恐怖と体調不良と、なんだかおおごとになってしまった申し訳無さで「お騒がせしてしまってすみません…」とか謝った。隊員さんに。

数値は問題無さそうだけど、このまま病院に向かってもいいけれどどうするか隊員さんに尋ねられる。

正直、このまま家に戻って様子を見るのもアリな気がしていたけど、
倒れたその数日後、思わぬ異変が……!!って仰天ニュースでよく見るやつじゃん…と不安になり、病院をお願いした。


病院に到着しても頭はずっとグラグラしていたけど、意識はもうその頃にはちゃんとしていたので

「担架に乗ってるー!」
「緊急搬送口って書いてるー!」
「(院内に)コードブルーって本当に書いてあるー!」

と内心よくわからないテンションに。
歩けはするので、担架から車椅子に乗り換えて問診。

ちなみに#7119でも先生の問診でも
「どのくらい気を失っていたか」を聞かれたんだけど、その時は時計を見る余裕も無く、家にいたのは2歳の子供だけだったから わからなかった。
だけど、5~10分で目を覚ましたはずだ、と返答が出来たのは紛れもなくEテレのおかげです。
(その時流れていた“わしも”は10分番組で、番号が始まってから倒れたけど、目を覚ました時はまだテレビからわしもの音声が聞こえてきたので 判別ができた。)
短い間隔で番組をやっているEテレを見ていたからだね!ヨカッター!


そうして、なんとかこんとか(忘れた)の疑いもあるのでと心電図検査をした。




結果、大事には至らなかった。
右肘の打撲と左肘も打撲(恐らく失神した時のもの)、
気を失ったのは自律神経によるもので、打撲の痛みと、その激痛から誘発されて血圧が一気に下がった事で起きたと考えられるそう。

こわ。倒れるって、怖。


夫はすぐに帰宅してくれたので早い段階で病院に来てくれて、もともと木曜が仕事が休みだった予定を前倒しして、明日家に居てくれる事になった。ありがたい。


帰宅は21時過ぎになった。
帰ってきてから、つとめて冷静にい続けた状況からの解放と安心とで、イヤ死ぬかと思った!!ほんと!!って泣いた。


子供はずっとおとなしくしてくれていた。救急車内でも、キョトンとはしていたけど泣かずに、相手してくれていた隊員さんに「にしゃい(指を6本立てながら)」と答えられたり、貸してくれたおもちゃの聴診器を隊員さんの顔面に「ぴ!ぴ!」とペタペタ当てて遊んでいた。

けどやっぱり何かを察していたのか、帰り際からは抱っこマンになっていた。ビックリさせちゃったな。







今、改めて思い返してもなかなかの衝撃体験したと自分では思うんだけど
どうなの?これって珍しくない話なの?
救急車どうこうよりも、意識がなくなるって怖くない??!気がついたら倒れてた、って、覚めなかったらどうなってたんだとか考えたら怖くない??!!私は怖い!!
特に今回、2歳児とふたりきりだった時に起こった事だったから かなり自分を奮い立たせて行動した気がする。
もう二度と体験したくないな。



忘れないでおきたいな、と思ったのは

  • すぐ目につく所に緊急連絡先・#8000・#7119の番号は書き留めておく
  • 家族の電話番号は「LINE通話あるから別にいいか」じゃなくてきちんと番号を登録しておく
  • 部屋は綺麗にしておく(倒れた時に余計な怪我をしない為に)
  • カドには気をつける(大事)


緊急連絡先に関しては、うちは冷蔵庫に会社の番号のメモを貼っていたから良かった。けど
#7119とか 近隣の病院の電話番号とかは、あらかじめコピーしたりメモしたものをファイルにまとめて棚にしまってはいたんだけど
見ない!直面したらそんな余裕ない!
気が動転すると、#7……なんだっけ………ってわかんなくなるし、フラフラしてると棚からファイル取り出すひと手間も出来なくなるので
大事な連絡先はワンクッション無く見られる所に貼っておいた方がいい。まじ。


時間が経った今もまだ少し頭がグラグラするような、貧血の時に近いような感覚が残ってはいるけど大丈夫でしょう。


家で肘打っただけでこんな展開になるのか。はぁビックリした。









《2019/05/15 追記》

フォロワーさんに教えて頂いた情報によると『 迷走神経反射』による失神であった可能性が高いなと思いました。



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そして担当医師の方にも言われたのですが、こういうのは珍しい話ではないらしい。
思えば救急車内でも到着後の問診でも同じ質問をされた。「今までに全校集会とかで急に倒れたりした事はあったか」。よく話に聞く集会中に突然バタンと倒れたりするああいうのも、昨夜の自分と同じような事だと。

迷走神経反射、でツイ検索してみた。
すると意外にも、生理痛や打撲による出血、電車内で、等々 様々な理由でバンと倒れた経験がある人が多く見られた。
中には、耳の閉塞感や耳鳴り、目眩、冷や汗がきてそのあとすぐに意識が無くなったという経験談を目にして、それが昨夜の自分そのまんまだったので これだったんだ…とほぼ確信した。

脳に酸素や血液が行きにくくなると起こりやすくもなるらしく、↑のような前兆があらわれたら、すぐに横になるのがいいらしい。難しい場合もあるだろうが、そうする事で気を失わずに済む事もあるのだそう。

という事は昨夜1回ぶっ倒れたあとに黙って台所で横になってたの、間違いではなかったんだな!保冷剤も!えらいぞ私!スゴいぞ私の対応力!



とりあえず、昨日の原因がハッキリした症状名をもって判明できたのと、こうなる人は少なくないむしろ多いんだっていうのがわかってなんだか安心感………